第47回 公募 伝統加賀友禅工芸展

「百万石まつり」と重なります。皆様の沢山のご来場お待ちしております。
第47回 伝統加賀友禅工芸展 受賞者一覧
ー 着物の部 ー
金賞 吉本大輔 訪問着「藤鏡」
銀賞 大久保謙一 訪問着「波のまにまに」
銅賞 松藤知実 訪問着「大樹」
〃 中町豪太 訪問着「Groove」
〃 戸田雪心 訪問着「更紗」
美しいキモノ特別賞 吉本大輔 訪問着「藤鏡」
引染技能賞 木村染物店 松藤知実 訪問着「大樹」
糊置き技能賞 吉本大輔 訪問着「藤鏡」
ー 帯の部 ー
優秀賞 田上裕希子 「月の光」
〃 松田希 「冬の音」
〃 古泉良範 「Still Nature」
おめでとうございました。
2025年6月の開会式での主催者代表の開会式での挨拶として、会長の私が述べた内容を抜粋して掲載させて頂きます。
(前文略)
さて、この展覧会(伝統加賀友禅工芸展)は我々の加賀友禅技術保存会が主催してきたものです。伝統とその技術の正統な継承及びそのための後継者育成、そして何より時代を呼吸する現代の作品作りが主目的です。
50年近くの歴史の中で絶えず加賀友禅を革新し、高めてきた存在として評価されています。会員も含めた出品者全員が切磋琢磨し、競っています。
今回の受賞者は金賞、銀賞、銅賞どれもがそれぞれの個性、世界観を鋭く打ちだしています。出品数自体は減少した中で、多様な作品がそろっています。其れこそ、私が思う加賀友禅が目指すべき方向性としての豊饒な多様性と百万石工芸の精度と完成度の高さを見せてくれつつある様に見えます。
金賞の吉本大輔さんの作品『藤鏡』は、的確な写実性をもとにした加賀友禅の基本的な在り方を示す力作です。銀賞の大久保謙一さんの『波のまにまに』は、おおらかな大きな色面構成の感覚が従来の加賀友禅になかったモダンでおしゃれな感覚を表現しています。また、銅賞の石塚知実さんの『大樹』は従来なかった森の動物や鳥を楽しく動的に描いて見せています。中町豪太さんや、戸田雪心さんの作品も思い切った主張のある世界を表現しています。
さてポストコロナで回復しない和装市場、国民の貧困化、などで、加賀友禅も例外でなく厳しい状況が続いています。とはいえ、今日、賑やかに丁度、百万石まつりがまさに始まろうとしています。
我々、加賀友禅作家はいつもこの加賀百万石の唯一無二の文化伝統をどう受け継ぎ、どう見せていくのかを模索しているといえます。また日本の華としての友禅の着物をどう継承するかを模索しているといえます。まさにその答えの典型がこの展覧会です。
さて、またこの加賀友禅を作るのは、加賀友禅作家だけでは作れません。多くの職人さんや商社、行政の皆さんの加賀友禅を大事に思う心によって作られてきたといえます。どうか、これからも当展覧会へのご理解とご支援を引き続き賜りますよう重ねてお願い申し上げ簡単ではありますが、開場式の挨拶とさせて頂きます。
ありがとうございました。
2025年04月07日 08:21